国際競争力を高めるために、全拠点共通の人事制度を作りたい
急速に拡大、グローバル化を遂げたC社。D社長はこの流れを持続的な成長へとつなげるべく、グローバル経営の視点での組織づくりを本格的に進めることを決意。最初の施策として、拠点任せだった人事の権限を本社に集約し、全拠点共通のグローバル人事制度を構築するプロジェクトを立ち上げます。このプロジェクトには、制度のグランドデザインから、構築に伴う細かな施策の立案・遂行まで、高い専門性と実行力の両方を備える人材が必要でした。
「人事制度はビジョン実現のための打ち手」という認識を共有
C社がコンサルタント兼プロジェクトリーダーとして選んだのは、サイエストの「グローバル顧問」から提案を受けたM顧問。日系大手メーカーのグローバル人事改革にプロジェクトリーダーとして参画、巨大組織の中で制度構築プロセスを推し進め、グローバルHR部門の強化に寄与した実力者です。M顧問は、自身の経験から、人事制度は会社のビジョン実現のための打ち手の一つで、経営理念・戦略と密にリンクさせることが重要という信念を持っており、それはD社長の組織づくりの方針とまさに合致するものでした。
プロジェクトには、人事戦略を担うキーパーソンのE取締役とF課長がメンバーとして参画。D社長も一緒に「なぜ今このプロジェクトをやるのか」の再確認から検討がスタートします。M顧問は議論をファシリテートして全員の目線合わせを重ねながら、「何をやるか」を明確化。プロジェクトを3つのフェーズに分け、具体的な施策へと落とし込んでいきます。
グランドデザインからパイロット導入まで一気に推進
最初のフェーズで行ったのは、戦略的ローテーションや次世代コア人材育成などをグローバルに実施するための、人事評価制度の構築と人材の見える化の仕組みづくり。
10か月のうちにM顧問がチームをリードして進めたタスクは、グローバルHRポリシーの策定、グローバルグレード(世界共通職務等級)の設計、グレーディングツールの作成、運用ハンドブック作成、人材データベース要件とジョブディスクリプションのレビューなど多岐にわたります。M顧問が全ての資料を英語で作成したことで、途中からモデル拠点の拠点長と人事担当をチームに加えることができ、その拠点でのパイロット導入もスムーズに進みました。
同じ目線で議論し、導いてくれる心強い存在
「M顧問は自分の経験やテンプレートを一方的に押し付けず、我々の理念や戦略を深く理解し、同じ目線で一緒に考え、議論を尽くした上で制度を組み立ててくれました。『我が社の人事制度』として他拠点にも展開していきます。」とE取締役。
今、プロジェクトチームは次なるフェーズへ移行し、グローバルHRポリシーに基づいたコア人材の育成と配置に取り組んでいます。