海外進出の流れ
海外市場に挑む企業の多くは、進出に至るプロセス、進出後のプロセスの両方で、さまざまな壁に直面して歩みを止めてしまいがちです。
失敗リスクを軽減し、事業をスピーディーに前へ進めるために、事前に海外ビジネス推進の全体的な流れや、各フェーズで実施するタスクについて大まかに把握し、筋道を立てて考えることはとても大切です。
Step 1:「何に悩んでいるのか」を明確化する
漠然とした悩みを抱えてモヤモヤとした日々が続いている方は、まず「悩みごと」を明確にしてみましょう。
海外進出前の悩み(例)
戦略、ノウハウ、ネットワーク
- 初めて尽くしで、何から手を付けたらよいのかわからない
- 進出すべき国・地域や進出先の法規制がわからない
- 市場の規模や競争環境がわからない
- 自社製品へのニーズがあるかわからない
- バイヤー・販売パートナーを探したいがどうすれば
- 資金/人材ともにリソースが限られ、無駄打ちはしたくない
人的リソース
- 海外事業の実務経験と語学力の両方を備えた人材がいない
- 経営者目線を持って事業を推進する人材がいない
- 生活上不便な地方圏に来てくれる人材は少ない
- 費用をかけて人材募集しても応募がない
- 先行き不透明な海外事業に正社員を採用するのはハイリスク
- 今いる人材をできる限り活かして事業を進めたい
海外進出後の悩み(例)
戦略、ノウハウ、ネットワーク
- 販路開拓に苦戦し、なかなか黒字化できない
- 代理店任せでなく、現地のエンドユーザーと直接話をしたい
- 現地パートナーとの契約を見直したい
- オペレーション改善・品質向上に取り組みたいがどうすれば
- 将来起こりうる労務・法務リスクに備えたいがどうすれば
- 現地拠点から撤退すべきかどうか、判断に迷う
人的リソース
- 拠点を設立しても、運営を任せられる人材がいない
- 海外拠点長には複数機能の経験が必要。育成に時間がかかる
- 海外駐在の希望者がおらず、外部採用も難しい
- ローカルスタッフのマネジメントがうまくいかない
- 現地の市場に精通し、人的ネットワークを持つ人材がいない
- 現地パートナーとうまく関係構築できる人材がいない
Step 2:「どのフェーズにいるのか」を把握する
以下に示した海外ビジネス推進の流れを確認し、貴社の現在位置を把握しましょう。
海
外
進
出
前
外
進
出
前
Phase 1
検討
検討
海外進出の検討
プロジェクト予算化
自社の海外進出の可能性を検討。進出目的を明確化し、プロジェクトを予算化する。
- 自社の現状把握と分析
- 海外進出についての基礎情報収集
- 初期計画の作成
- 進出目的の整理、明確化、社内共有
- 社内合意、進出検討プロジェクトとして予算化
- プロジェクトチームの組成
Phase 2
調査
調査
デスクリサーチ
国内/海外ヒアリング調査
商品・ターゲット国・展開方法などを明確にするための情報収集。調査結果を分析し、ターゲット国を絞り込む。
- 調査項目、方法の決定
- 調査を実施
-
- 外部環境(市場/競争環境/流通環境/法規制など)
- 内部環境(技術/製品/人材/ノウハウ/資産など)
- ターゲット国(政治/経済/法規制/消費者など)
- 調査結果を分析
-
- 外部環境(顧客分析/競合分析/マクロ環境分析)
- 内部環境(自社分析)
- ターゲット国の絞り込み
Phase 3
計画
計画
戦略立案
事業計画策定
分析結果をもとに、「ターゲット国にどの商品でどういうスキームで進出するか」の戦略を描き、事業計画を策定する。
- 達成目標の設定 (定性・定量)
- ロードマップ作成 (タイムライン・工程)
- 進出戦略を立案
-
- マーケティング
- プロモーション
- 営業・販売
- 知的財産など
- 事業計画を策定
-
- 業務計画
- 人員/採用計画
- 資金/収支計画など
Phase 4
検証
検証
事業計画の検証
(フィージビリティスタディ)
事業計画の実現可能性を現地視察で確認。 国内でより詳細な計画検証を並行して実施。海外進出の最終判断を行う。
- 現地視察を実施
-
- 現地事情を直接確認
- 現地パートナー候補との面談
- 海外展示会への出展
- 海外テストマーケティングの実施
- 国内での詳細な市場調査を実施、計画を検証
- 戦略の再検討/ 事業計画の修正、最終決定
- 社内人員体制の整備
海
外
進
出
後
外
進
出
後
Phase 5
実行
実行
拠点設立
仕組みの構築
営業活動スタート
拠点を設立し、運営の仕組みを整備。 現地パートナーとの契約を締結。営業活動を始動させる。
- 拠点設立手続き
- 拠点運営体制の構築
- 現地パートナー決定・契約締結
- 営業活動 (販路の確保)
- 関係各所との連携 (物流網、資金回収の仕組み構築など)
- 各種許認可申請
Phase 6
運営
運営
事業スタート
拠点マネジメント
販路開拓
拠点のデイリーマネジメントを遂行。 営業活動を推進しながら、次の拡大フェーズに向けた種まきをする。
- 拠点マネジメントを遂行
-
- 販売活動管理
- オペレーション管理/QC活動
- 財務/労務/法務管理
- 日本本社とのコミュニケーションなど
- 現地パートナーとの関係構築、現地の情報収集
- 新たな販路を開拓
自社の課題と現在位置を把握できたら、課題解決のための目標を定め、その目標を達成するためのアプローチを戦略的に考えていきます。
課題解決や意思決定を、海外ビジネスのプロに支援してほしいという方は、サイエストへお気軽にお問合せください。
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