海外進出を考え始めたら、知っておきたい方法とメリット

海外進出を考え始めたあなたに、海外進出のコンサルタントが近年のトレンドと成功させるポイントをご紹介します!

お椀

「国内の市場が縮小しているので、海外に進出する必要がある!?
でも...うちの会社には英語ができる人材もいないし、海外でビジネスをするノウハウもない。」

海外進出と聞くと、社運をかけた一大プロジェクトのように感じますね。

  • 大企業が製造コスト削減のために海外に工場を建設したり・・・
  • 新しい市場を開拓するために海外支社を設立したり・・・

そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、インターネットが普及する以前は、中小企業が海外に進出するにはさまざまなハードルがありました。しかし、テクノロジーの発達、通信・決済・国際物流などのビジネスインフラの整備により、中小企業でも海外進出にチャレンジしやすくなっています。

日本企業が海外進出する理由とメリット

日本経済は、少子高齢化による人口減少により縮小しています。同時に、GDPを生み出す労働人口も減少しており、2020年に7,406万人だった労働人口は、2040年には5,978万人になると予測されています。
(出典:総務省 令和3年版情報通信白書)

一方、海外に目を向けると、インドやベトナムなどのアジア新興国は、人口増加や平均所得の上昇により、今後の市場拡大が期待されています。こうした新しいマーケットを掴み、将来の成長のために海外事業を事業ポートフォリオに加えようと考える中小企業経営者が増えています。特にアジアは、日本に対する信頼感が強く、ジャパンブランドを好む国も多い市場です。私たちが当たり前のように使っている製品やサービスでも、その性能や品質が高く評価され、大きな市場を獲得できる可能性を秘めているのです。

経済産業省と内閣府は、日本の産業・文化の海外展開を促進するため、「クールジャパン」を掲げ、様々な施策を通じて海外進出企業を後押ししています。以下のようなクールジャパンに含まれる製品・サービスを扱う中小企業にとっては、行政の支援を受けやすい有利な環境といえるでしょう。

クールジャパンに含まれる製品・サービスの例

アニメやマンガ
[アニメやマンガ]
ゲームなどのコンテンツ
[ゲーム等のコンテンツ]
ファッション
[ファッション]
日本食
[日本食]
伝統文化
[伝統文化]
デザイン
[デザイン]
ロボット
[ロボット]
環境技術
[環境技術]

日本でのブランド力や知名度が低い現地の中小企業が、成熟した市場でシェアを獲得することは容易ではありません。

一方、海外では、ジャパンブランドの新しい商品・サービスとして売り出すことができ、現地で支持されれば、シェア拡大のチャンスもあります。日本でトップシェアを誇る競合他社も、グローバルブランドでない限り、海外では対等に戦うことができるでしょう。特に海外ビジネスは先行者利益が十分に発揮できる領域であり、トップダウンでフットワークよく動ける中小企業にとっては、強みを発揮しやすい市場でもあります。

また、新型コロナウイルスが流行する以前は、海外からの旅行者の増加によりインバウンド需要が注目されていました。海外進出を意識していなかった地方の中小企業でも、日本にいながら海外の消費者に商品やサービスを届けられるようになり、海外ビジネスが身近なものになったのです。

サイエスト社に相談したクライアント企業の規模と地域

中堅・中小企業からの相談が多い

中堅・中小企業との多数の取引実績

地方からの相談が約4割を占める

都市圏はもちろん、地方も広くカバー

[図:サイエスト社、海外進出に関する地域別の相談企業の割合と従業員数]

「採用」と「海外進出」は一見全く関係ないように思えますが、海外進出は採用の面でも大きなメリットがあります。就職活動中の若者は、企業の成長性を判断する際に、海外ビジネスの取り組みを参考にしていることをご存知でしょうか?

新卒採用や中途採用で優秀な人材を確保したい場合、海外ビジネスに取り組んでいることは、自社の成長性をアピールするのに有効な手段です。もはや、海外を視野に入れていない中小企業では、優秀な人材が集まりにくい時代になっているのかもしれませんね。

コロナ禍で海外ビジネスのDX化が進展!最新の海外進出方法

コロナ禍による海外渡航制限により、インバウンド需要が激減し、企業が対面営業を行う機会も減少しました。しかし、このような逆境の中、多くの企業がインターネットを活用した非対面販売にシフトし、日本にいながら海外進出への取り組みを始めています。特に食品メーカーや小売、雑貨メーカーなど輸出しやすいプロダクトを扱っている企業は、越境EC*1やオンラインを活用して、日本にいながら海外に販路を開拓するケースが増えています。

越境EC

いわゆる「海外ビジネスのDX」が進み、オンラインとオフラインのハイブリッド型でのビジネス展開が必須となり、従来のビジネスモデルからの転換が求められています。

では、具体的にどのような方法があるのでしょうか。大きく分けて3つの方法があります。

  • 越境ECによる販路拡大
  • 現地のバイヤーを活用した販路拡大
  • 商社を活用した販路拡大

方法1
越境ECによる販路拡大

日本貿易振興機構(JETRO)が2022年2月に発表した「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、ECを活用している企業のうち、大企業では海外拠点での販売(48.6%)と回答した割合が高い一方、中小企業は越境EC (48.2%)の割合が高く、大企業(38.7%)を上回る数字でした。

中小企業がインターネットを積極的に活用し、海外進出にチャレンジしていることがよくわかります。

(出典:2021年度|ジェトロ海外ビジネス調査 日本企業の海外事業展開に関する アンケート調査)

では、越境ECによる海外展開は、どのように始めればよいのでしょうか。越境ECには、自社で運営する方法と、既存の海外ECモールに出店する方法の2つがあります。

自社で越境ECを運営する

自社で運営する場合、ゼロから構築するのではなく、越境ECのプラットフォームを利用するケースがほとんどです。有名なところでは、アジア圏に強い「launchcart」や多様な決済手段に対応した「CS CART」などがあります。

自社サイトなので利益を出しやすい反面、集客も自社で行わなければなりません。知名度の低い中小企業にとっては、少々ハードルが高いものとなります。

launchcart

[アジア圏に強い launchcart]

CS CART

[多様な決済手段に対応した CS CART]

引用:https://launchcart.jp/
https://cs-cart.jp/

海外のECモールに出店する

海外のECモールに出店する場合、商品をモールに登録するだけで販売することができます。有名なところでは、「Amazon(アメリカ)」、「TMALL(中国)」、「Shopee(東南アジア)」などがあります。これらのモールは集客力がある点が強みで、自社の商品ラインナップに合ったモールを選ぶことが重要です。

amazon

[Amazon(アメリカ)]

tmall

[Tmall(中国)]

shopee

[Shopee(東南アジア)]

引用:https://sell.amazon.co.jp/grow/promotions/japan-store
https://www.alibaba.co.jp/service/tmall/
https://shopee.jp/

方法2
現地のバイヤー(インポーター)を活用した販路拡大

ここ4〜5年の間に、中国市場にはEC環境が整い、BtoCの越境ECが急成長しています。一方、決済や物流などのインフラが整っていない国や地域では、BtoBtoCの手法で現地のバイヤーに越境ECで販売することもあります。

バイヤーとの接点は、オンライン展示会や海外とのマッチングサイトなどがあります。しかし、数ある日本製品の中から選んでもらうためには、事前の準備がとても重要です!バイヤーの関心は、「現地で売れるか」「採算が合うか」です。これらについて、バイヤーと的確にコミュニケーションし、交渉する能力が必要です。

市場調査に基づく商品・サービスのアピール力

バイヤーに選ばれるためには、相手国の商習慣や法規を事前に調査し、現地の市場ニーズにマッチした的確なペルソナを設定し、製品やサービスの魅力をわかりやすくアピールすることが必要です。

マーケットリサーチに基づいた進出計画があれば、バイヤーとの商談でも動じることなく、説得力のある提案ができますね。

コストマネジメント力

バイヤーを通した販売の仕組みづくりに成功しても、利益を出せないと意味がありません。 海外ビジネスでつまずく中小企業の中には、物流コストを考慮しなかったために赤字が続いているケースが少なからずあります。バイヤーと一緒に物流戦略を含めた仕組みを作り、持続的に利益を生み出せるWin-Winの体制づくりが重要なんですね。

方法3
商社を活用した販路拡大

自社の商品・サービスがECに適さない場合、越境ECではなく、進出予定地域に既に販路を持っている商社と提携して輸出する方法があります。この方法は、自社で直接販売する場合に比べ、商社が仲介するため収益性は劣りますが、販路開拓の手間が省け、リスクマネジメントの面でも有効な方法です。

商社を通じた輸出は従来からある方法ですが、海外市場での競争が激化する中で、実は商社に求められる役割も変化し、高度化しています。

現地のニーズに合った商品をより安く販売するために、商社には商品の企画・設計の上流段階から企業にアドバイスするスキルが求められています。特に、開発コストの70%は上流工程で決まると言われており、中小企業にとっては、コスト管理の具体的なアドバイスやコスト削減の仕組みを提案できる商社を探し、連携することが重要になります。

例えば、日本で製造し中国で販売していた製品を、製造拠点をベトナムに移し、原材料の購入や設計は日本で行うことで、既存の販売ルートを変えずにコストダウンを図ることができます。または、中国での販売データを商品開発や製造工程にタイムリーに連携させるシステムやツールを導入し、生産ロスを減らすことができます。 今後は、モノを右から左へ流すだけでなく、企業の上流工程に積極的に関与する商社の存在がますます大きくなるでしょう。

海外進出における課題と解決策

海外ビジネスのDX化、オンライン・オフラインのハイブリッド化は、コロナ以降も止まることなく、より複雑かつ高度になり、広範化していくことが予想されます。

海外進出の課題

  • オンラインだけで海外企業との信頼関係を構築する方法は?
  • 商品やサービスの魅力を英語と現地の言葉でどう伝えるか?
  • Eコマースに向いていない商品をどう拡販するか?
  • 現地を訪問して信頼できるビジネスパートナーを探したいが、コネクションがない
  • オンライン商談の対応方法がわからない
  • 現地の商習慣や規制に詳しい人が見つからない
  • 現地の人材を採用したいが、リモートでの人材のマネジメントは不安

こうした海外進出の課題は、コロナ以降も中小企業の課題として残っていくでしょう。



いかがでしょうか?
中小企業にも海外事業のDXが浸透し、海外進出のハードルが低くなってきました。しかし、自社のリソースだけで挑戦しようとすると、何から手をつけていいのかわからないということもあるのではないでしょうか。

そんなときは、海外進出のプロの力を借りてみませんか?

海外進出コンサルという「伴走者」を得る

海外進出支援で迷走・失敗のリスクを最小化できる

海外事業の推進には、進出するかどうかを検討する段階から、6つのフェーズがあります。それぞれのフェーズを順番に進めていくのが理想ですが、多くの企業が先を急ぎ、やみくもに動いてしまい、なかなかビジネスが進まないのが現実です。

Phase 1
検討

海外進出の検討
プロジェクト予算化

検討
Phase 2
調査

デスクリサーチ
国内/海外ヒアリング調査

調査
Phase 3
計画

戦略立案
事業計画策定

計画
Phase 4
検証

事業計画の検証
(フィージビリティスタディ)

検証
Phase 5
実行

拠点設立
仕組みの構築
営業活動スタート

実行
Phase 6
運営

事業スタート
拠点マネジメント
販路開拓

運営

海外進出の流れをもっと詳しく

限られた資源で海外展開に挑戦するのですから、「無駄なお金を使いたくない」「失敗したくない」と思うのは当然です。社内に海外事業立ち上げの経験者がいればベストですが、そういうケースは稀です。とはいえ、先の見えないプロジェクトのために正社員を雇うのはリスクが高すぎます。

そのような場合、海外ビジネスのプロフェッショナルを「顧問」として雇い、必要なテーマについて必要な期間だけ伴走してもらう方法があります。

自社だけでは力不足。でも、海外進出には挑戦できる!

「グローバル顧問」は、グローバルビジネス支援事業を展開するサイエストが提供する伴走型コンサルティングサービスです。

海外ビジネスの経験やノウハウ、ネットワークを持つ5,000人の人材データベースから厳選されたプロフェッショナルが、「顧問」としてプロジェクトに参画します。外部人材として客観的な視点を持ちながら、プロジェクトチームの「伴走者」として、課題の抽出からタスクの特定、実行までハンズオンで支援します。

海外ビジネスにおける豊富な知識とネットワークを持つ「顧問」が進め方を指導することで、推進プロセスの迷走や失敗のリスクを最小限に抑えることができます。

プロフェッショナルの人材データベース

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